海外旅行での通信手段は何が選ばれているのか。この記事ではアンケートを実施し、海外旅行でインターネットに接続する際の通信手段について調査を行った。
Contents
海外旅行での通信手段は?インターネット接続方法のアンケート調査結果
2023年以降海外旅行に行った経験のある人の中から、ランダムに選んだ205人に次のアンケートを実施した。
・海外旅行でのインターネット接続方法
・通信手段を選んだ理由
・海外渡航先別の通信手段
・渡航滞在数別の通信手段
・渡航人数別の通信手段
・海外旅行中のインターネット利用目的
・次の海外旅行でどの通信手段を利用したいか
この結果について詳しく解説する。
なお、アンケートで確認した海外旅行でのインターネット接続方法の概要は次の通り。
通信手段 | 概要 |
---|---|
海外用Wi-Fiルーターレンタル | 渡航先で使えるポケット型WiFi・モバイルWiFiをレンタル |
海外(国際)ローミング | 国内で契約している携帯電話を海外でそのまま利用 |
海外SIM | 渡航先で使えるSIMカードを購入 |
海外eSIM | 渡航先で使えるeSIMを購入 |
無料Wi‑Fiスポット(公衆Wi-Fi)のみ | 現地のカフェやホテルに設置された無料Wi‑Fiを利用 |
海外用Wi-Fiルーターレンタルは、渡航先で使えるポケット型WiFi・モバイルWiFiをレンタルすることから、利用後は返却が必須だ。
海外(国際)ローミングは、スマホのみで設定可能だが、別途料金が必要な場合があるため確認しなければならない。
海外SIM・eSIMは現地で調達可能のタイプもあるため、渡航前に確認するとスムーズに利用できる。
無料Wi‑Fiスポット(公衆Wi-Fi)は、無償で利用できるが提供場所が限定的かつ、出所が不明なものもあることから、安全性を確認した上での利用が重要である。
以降でアンケート結果を詳しく見ていく。
海外旅行でのインターネット接続方法
海外旅行での通信手段・インターネット接続方法のアンケートを行った。調査結果は次の通り。
通信手段 | 割合 |
---|---|
海外用Wi-Fiルーターレンタル | 36.1% |
海外(国際)ローミング | 21.5% |
海外eSIM | 17.1% |
海外SIM | 14.6% |
無料Wi‑Fiスポット(公衆Wi-Fi)のみ | 10.7% |
「海外用Wi-Fiルーターレンタル」が最も多く、次に「海外(国際)ローミング」が多い結果となった。海外用Wi-Fiルーターレンタルはさまざまな業者で取り扱われており、海外渡航者の認知度が高いことが理由だろう。
また、海外(国際)ローミングは、スマホのみで設定可能であるため、気軽に利用できる点で海外渡航者からの注目度が高いと考えられる。
通信手段を選んだ理由
海外旅行での通信手段を選んだ理由について、それぞれ調査した。
海外用Wi-Fiルーターレンタルを選んだ理由
海外旅行での通信手段として、海外用Wi-Fiルーターレンタルを選んだ理由は以下の通り。
選んだ理由 | 票数(割合) |
---|---|
手続きが楽だったから | 46票(31.2%) |
料金が安かったから | 42票(28.2%) |
受け取り・返却が楽だから | 42票(28.2%) |
通信速度が速いから | 9票(6.1%) |
通信制限がないから | 5票(3.4%) |
その方法しか知らなかったから | 2票(1.3%) |
旅行直前で申し込めたから | 1票(0.6%) |
海外用Wi-Fiルーターレンタルを選んだ理由として、「手続きが楽だったから」「料金が安かったから」「受け取り・返却が楽だから」が、約30%を占めた。
海外用Wi-Fiルーターのレンタルは、料金が安く手続きが手軽にできて、受け取りや返却がスムーズにできるという点をメリットに感じている人が多いと分かる。
海外(国際)ローミングを選んだ理由
海外旅行での通信手段として、海外(国際)ローミングを選んだ理由は以下の通り。
選んだ理由 | 票数(割合) |
---|---|
手続きが楽だったから | 34票(37.7%) |
持ち歩きの必要がないから | 21票(23.3%) |
料金が安かったから | 15票(16.6%) |
通信制限がないから | 7票(7.7%) |
その方法しか知らなかったから | 5票(5.5%) |
通信速度が速いから | 3票(3.3%) |
旅行直前で申し込めたから | 3票(3.3%) |
その他 | 2票(2.2%) |
海外(国際)ローミングを選んだ理由として「手続きが楽だったから」が30%、持ち歩きの必要がないからが20%を占めた。
海外ローミングはスマホ1つで設定可能で、他の端末を持ち歩く必要がないという利便性から選ばれていると推測できる。
海外eSIMを選んだ理由
海外旅行での通信手段として、海外eSIMを選んだ理由は以下の通り。
選んだ理由 | 票数(割合) |
---|---|
手続きが楽だったから | 30票(31.9%) |
料金が安かったから | 27票(28.7%) |
持ち歩きの必要がないから | 15票(15.9%) |
受け取り・返却が楽だから | 6票(6.3%) |
通信制限がないから | 5票(5.3%) |
通信速度が速いから | 2票(2.1%) |
旅行直前で申し込めたから | 2票(2.1%) |
海外eSIMを選んだ理由として、「手続きが楽だったから」「料金が安かったから」がおよそ30%を占めた。
海外eSIMはスマホの端末のみで設定可能で比較的料金も安いというメリットから選ばれていることが分かる。
海外SIMを選んだ理由
海外旅行での通信手段として、海外SIMを選んだ理由は以下の通り。
選んだ理由 | 票数(割合) |
---|---|
料金が安かったから | 21票(30.4%) |
手続きが楽だったから | 16票(23.1%) |
持ち歩きの必要がないから | 9票(13.0%) |
通信制限がないから | 8票(11.5%) |
受け取り・返却が楽だから | 7票(10.1%) |
通信速度が速いから | 6票(8.6%) |
旅行直前で申し込めたから | 2票(2.8%) |
海外SIMを選んだ理由として、「料金が安かったから」が30%、「手続きが楽だったから」が20%を占めた。
海外SIMは比較的料金が安く、SIMカードを挿すだけで設定可能な点が選ばれる理由だろう。
無料Wi‑Fiスポット(公衆Wi-Fi)のみを選んだ理由
海外旅行での通信手段として、無料Wi‑Fiスポット(公衆Wi-Fi)のみを選んだ理由は以下の通り。
選んだ理由 | 票数(割合 |
---|---|
持ち歩きの必要がないから | 9票(31.3%) |
料金が安かったから | 8票(27.5%) |
その方法しか知らなかったから | 7票(24.1%) |
手続きが楽だったから | 2票(6.8%) |
通信速度が速いから | 1票(3.4%) |
通信制限がないから | 1票(3.4%) |
その他 | 1票(3.4%) |
無料Wi‑Fiスポット(公衆Wi-Fi)のみを選んだ理由として、「持ち歩きの必要がないから」「料金が安かったから」が約30%の結果となった。
渡航先の公共施設やカフェなどで設定されている公衆Wi-Fを利用するため、別途端末を持ち運ぶ必要がなく無料で使えるのが強味と言える。
海外渡航先別の通信手段
海外渡航先別の通信手段を調査した。結果は以下の通り。
渡航先 | 海外用Wi-Fiルーターレンタル | 海外(国際)ローミング | 海外eSIM | 海外SIM | 無料Wi‑Fiスポットのみ |
---|---|---|---|---|---|
韓国 | 36.7% | 10.2% | 34.7% | 10.2% | 8.2% |
台湾 | 59.3% | 25.9% | 7.4% | 7.4% | 0% |
タイ | 35.7% | 40.0% | 0% | 35.7% | 0% |
シンガポール | 25.0% | 25.0% | 0% | 12.5% | 37.5% |
ベトナム | 30.0% | 40.0% | 10.0% | 20.0% | 0% |
フランス | 37.5% | 0% | 12.5% | 37.5% | 12.5% |
イタリア | 50.0% | 0% | 16.7% | 16.7% | 16.7% |
アメリカ(本土) | 52.2% | 17.4% | 17.4% | 4.3% | 20.0% |
ハワイ | 40.0% | 30.0% | 10.0% | 0% | 20.0% |
グアム | 37.5% | 50.0% | 0% | 0% | 12.5% |
2ヶ国以上周遊 | 11.8% | 29.4% | 35.3% | 17.6% | 5.9% |
アジア圏では、「海外用Wi-Fiルーターレンタル」が約30%を超えていて、アジアの諸外国に対応したポケット型WiFiのプランが活用されていることが分かる。
シンガポールでは「無料Wi‑Fiスポットのみ」が50%を超えていて顕著な数値だ。これはシンガポール全域で政府公認のWi-Fiスポットが提供されているのが理由だろう。
イタリア・フランスなどのヨーロッパ圏内や、アメリカの本土や領内でも「海外用Wi-Fiルーターレンタル」が30%以上で、人気の旅行先ではポケット型WiFiの対応プランが利用されていると考えられる。
また、2ヶ国以上周遊の場合は、「海外(国際)ローミング」「海外eSIM」が多く選択されている。ルーター等の別途端末を持ち運ぶ必要がなく、スマホ一つで設定できるため、携帯性から選ばれているのが理由だろう。
渡航滞在数別の通信手段
渡航滞在数別の通信手段を調査した。結果は以下の通り。
滞在日数 | 海外用Wi-Fiルーターレンタル | 海外(国際)ローミング | 海外eSIM | 海外SIM | 無料Wi‑Fiスポットのみ |
---|---|---|---|---|---|
1日〜2日 | 52.9% | 17.6% | 5.9% | 5.9% | 17.6% |
3日〜4日 | 37.0% | 22.2% | 17.6% | 11.1% | 12.0% |
5日〜6日 | 38.2% | 20.6% | 11.8% | 17.6% | 11.8% |
7日〜8日 | 46.7% | 26.7% | 13.3% | 6.7% | 6.7% |
9日以上 | 16.1% | 19.4% | 29.0% | 32.3% | 3.2% |
「海外用Wi-Fiルーターレンタル」は「1~2日」の数値がピークで、日数が増えるごとに利用者の割合が減る傾向にある。
一方で「海外eSIM」と「海外SIM」は「1~2日」の短期滞在では5%程度に留まり、「9日以上」の長期滞在は30%と多い。
上記の結果は、海外への滞在時間が長いほどできるだけ荷物を減らしたいという意識が根底にあるのが理由と考えられる。
「無料Wi‑Fiスポットのみ」の利用は「1~2日」が最も多く、長期滞在になるにつれ少なくなっている。これは、「短期旅行であればわざわざ海外用の通信プランは必要ない」「長期滞在の場合はある程度ネット環境を確保したい」という意識が強いことが理由だろう。
渡航人数別の通信手段
渡航人数別の通信手段を調査した。結果は以下の通り。
渡航人数 | 海外用Wi-Fiルーターレンタル | 海外(国際)ローミング | 海外eSIM | 海外SIM | 無料Wi‑Fiスポットのみ |
---|---|---|---|---|---|
1人 | 25.5% | 33.3% | 5.9% | 17.6% | 17.6% |
2人 | 39.0% | 19.0% | 21.0% | 13.0% | 8.0% |
3人 | 40.6% | 15.6% | 25.0% | 12.5% | 6.3% |
4人 | 40.0% | 20.0% | 13.3% | 26.7% | 0% |
5人以上 | 42.9% | 0% | 14.3% | 0% | 42.9% |
1人での渡航の場合は「海外(国際)ローミング」が最も多く30%を占めた。これは、キャリアによるものの海外ローミングはコスパが良いケースが多いからだと推測できる。
特に楽天モバイルやahamoは、国内の基本料金のみで海外ローミングが利用できるためお得で、渡航者にも人気のキャリアである。
2人以上の複数での渡航の場合は、「海外用Wi-Fiルーターレンタル」が40%前後を占め、最も多かった。ポケット型Wi-Fiは1台を複数人でシェアしてインターネットを利用できるため、割安に使えることが理由だろう。
海外旅行中のインターネット利用目的
海外旅行中のインターネット利用目的を調査した。結果は以下の通り。
利用目的 | 票数(割合) |
---|---|
地図閲覧・ルート検索 | 165票(18.8%) |
現地の情報収集 | 153票(17.4%) |
LINEなどのコミュニケーションアプリの利用 | 96票(10.9%) |
翻訳・辞書 | 78票(8.8%) |
SNSの閲覧・投稿 | 76票(8.6%) |
メール・SMS・電話 | 72票(8.2%) |
天気の確認 | 67票(7.6%) |
飲食店や美術館などの予約 | 64票(7.2%) |
タクシーなどの配車アプリでの手配 | 59票(6.7%) |
動画視聴 | 22票(2.5%) |
音楽視聴 | 16票(1.8%) |
オンラインゲーム | 6票(0.6%) |
その他 | 3票(0.3%) |
渡航先のインターネットの利用目的として「地図閲覧・ルート検索」「現地の情報収集」が多い結果となった。
渡航先でもネットを活用してスムーズに旅をするための手段として利用されていると考えられる。
次の海外旅行でどの通信手段を利用したいか
次の海外旅行でどの通信手段を利用したいかを調査した。結果は次の通り。
通信手段 | 票数(割合) |
---|---|
海外用Wi-Fiルーターレンタル | 34.1% |
海外(国際)ローミング | 23.9% |
海外eSIM | 22.0% |
海外SIM | 12.7% |
無料Wi‑Fiスポット(公衆Wi-Fi)のみ | 7.3% |
次の海外旅行先でも、「海外用Wi-Fiルーターレンタル」を利用したいという回答が30%を超えた。「海外旅行でのインターネット接続方法」とほぼ同程度の割合であることから、同じ利用法をリピートしたいという人が一定数いることが分かる。
これは「海外用Wi-Fiルーターレンタル」が一般的な方法で、渡航者向けのプランが充実している点や複数人でシェアできる点が支持の理由だろう。
また、「海外(国際)ローミング」「海外eSIM」も20%を超えた。この2つは他の端末やガジェットの導入の必要がなく、スマホ1台で設定可能なため利便性が選ばれている理由と考えられる。
海外旅行での通信手段は主に5つ
海外旅行での通信手段には主に以下の5つがある。
通信手段 | 特徴・仕様 |
---|---|
海外用Wi-Fiルーターレンタル | ・渡航先で使えるポケット型WiFi・モバイルWiFiをレンタル ・渡航前にプランを決定してレンタル |
海外(国際)ローミング | ・国内で契約している携帯電話を海外でそのまま利用 ・海外ローミング設定をする |
海外eSIM | ・渡航先で使えるeSIMを購入 ・現地で調達可能の場合もある |
海外SIM | ・渡航先で使えるSIMカードを購入 ・現地で調達可能の場合もある |
無料Wi‑Fiスポット(公衆Wi-Fi) | ・現地のカフェやホテルに設置された無料Wi‑Fiを利用 |
海外用Wi-Fiルーターレンタルは、渡航前にプランを決定し、端末をレンタルする必要がある。海外(国際)ローミングは、各キャリアに設定されているため、手順を踏めばスマホのみで海外でのネット通信が可能。
海外eSIM・海外SIMは、eSIM・SIMカードを購入してスマホで設定するもので、現地で購入できる場合もある。
無料Wi‑Fiスポット(公衆Wi-Fi)は、現地のカフェやホテルなどの施設に設定されているWi-Fiを利用するため、無償で使えるのが特徴だ。
以下にメリット・デメリットを記載する。
通信手段 | メリット | デメリット |
---|---|---|
海外用Wi-Fiルーターレンタル | ・長期プランや無制限プランがある ・空港での返却に対応するものもある ・複数人でシェアできる |
・利用後は端末の返却が必須 ・端末の破損や紛失に注意が必要 ・通常の音声通話はできない |
海外(国際)ローミング | ・スマホのみで設定可能 ・通常の国内プランで利用できる場合がある |
・別途追加プランが必要になる場合がある ・格安SIMでは非対応の場合が多い ・音声通話ができない場合がある |
海外eSIM | ・長期プランや無制限プランがある ・スマホのみで設定可能 ・現地で調達可能の場合もある ・渡航先から音声通話が可能 |
・eSIM非対応のスマホでは利用できない ・電話番号が変わる |
海外SIM | ・長期プランや無制限プランがある ・現地で調達可能の場合もある ・渡航先から音声通話が可能 ・店舗で購入できるため店員に相談できる |
・SIMカードの破損や紛失に注意が必要 ・電話番号が変わる |
無料Wi‑Fiスポット(公衆Wi-Fi) | ・スマホのみで設定可能 ・無料で使える |
・利用できるエリアが限定的 ・混雑しやすい ・安全性が不明なものもある ・通常の音声通話はできない |
以下の項目で詳しく解説する。
海外用Wi-Fiルーターレンタル
海外用Wi-Fiルーターレンタルは、ポケット型WiFiをレンタルする形式で、渡航前にプランを選択する。ポケット型WiFiと端末を無線接続して利用するもので、プランで指定した地域でのみ使用可能である。
海外用Wi-Fiルーターレンタルのメリット
海外用Wi-Fiルーターレンタルのメリットは次の通り。
・長期プランや無制限プランがある
・空港での返却に対応するものもある
・複数人でシェアできる
長期プランや無制限プランなど、さまざまなニーズに対応しており、利用期間に応じてレンタルできる。空港での返却に対応するものもあるため、簡単にレンタルできる点も利点と言える。
また、1つの端末で複数人でシェアして利用でき、コスパ良く使えのもメリットだ。
海外用Wi-Fiルーターレンタルのデメリット
海外用Wi-Fiルーターレンタルのデメリットは次の通り。
・利用後は端末の返却が必須
・端末の破損や紛失に注意が必要
・通常の音声通話はできない
利用後は端末の返却が必須だ。破損や紛失がある場合は、弁償金を払わなければならないため注意して管理しなければならない。
またデータ通信用の回線を使うことから、通常の音声通話はできない。LINE等のアプリで通話する必要がある。
海外用Wi-Fiルーターレンタルの利用手順
海外用Wi-Fiルーターレンタルの利用手順は次の通り。
①海外用Wi-Fiルーターレンタルの公式サイトにアクセスする
②プラン・受け取り方法を選択する
③端末を受け取る
④国内でスマホ海外ローミングとデータ通信をオフにする
⑤渡航後にルーターと接続する
まず、海外用Wi-Fiルーターレンタルの公式サイトにアクセスする。次に利用期間や料金を確認しプランと受け取り方法を選択しよう。
受け取り先は、自宅への郵送の他、対応する空港で受け付けている場合もあり、状況に応じて選ぶ。ルーター受け取り後は、渡航前にスマホの海外ローミングとモバイルデータ通信をオフにする。
この作業を怠るとルーターを介さずに海外パケット通信が発生し、高額請求されるケースもあるため注意が必要。
渡航後にルーターの電源を入れ、スマホのWiFi設定でルーターに記載されているIDとパスワードを記入して接続できれば完了である。
海外(国際)ローミング
海外(国際)ローミングは、各キャリアに付属している海外ローミングを設定してインターネットに接続する方法である。
ルーターのような端末は不要で、スマホのみで設定できる。通常の国内プランのみで海外ローミングサービスも利用できる場合もあるため、キャリアごとの提供内容の確認が必要だ。
海外ローミングのメリット
海外ローミングのメリットは次の通り。
・スマホのみで設定可能
・スマホのプラン変更やオプションの追加なしで利用できる場合がある
スマホのみで設定可能で、別途ルーターなどの端末を持ち歩く手間ないのが便利である。スマホの料金プラン変更やオプションの追加なしで、スマホの設定を行うだけで利用できるケースもある。
前提として、海外のインターネット通信は、国内の通信サービスが非対応であり、パケットが消費されるために料金がかかり、高額請求になりやすい。
海外ローミングサービスと対応プランを適用することで一定額のみの支払いで済むことから、海外でのネット料金を抑えることが可能になる。
キャリアによって海外ローミング向けのプランやオプションが別途必要なものと、オプションなしで利用できるものがあるため、できるだけ安く利用したい場合は後者を選ぶのがおすすめだ。
海外ローミングのデメリット
海外ローミングのデメリットは次の通り。
・別途追加プランが必要になる場合がある
・格安SIMでは非対応の場合が多い
・音声通話ができない場合がある
キャリアによっては海外ローミング専用プランを追加で契約する必要があり、コストがかかる点がデメリットだ。
また、格安SIMではほとんどの場合、海外ローミングが非対応である。海外利用できても音声通話のみ、データ通信のみというように限られるケースもあるため注意が必要だ。
海外ローミングの利用手順
海外ローミングの利用手順は次の通り。
①渡航前に申し込みが必要な場合はデータローミングサービスを申し込む
②渡航後にスマホの「設定」・「モバイル通信」・「通信のオプション」の順に開く
③データローミングを「オン」切り替える
渡航前に事前の申し込みが必要な場合は、海外データローミングサービスを申し込む。キャリアによってローミングサービスの提供の仕方は異なるため予め確認しておく。
渡航後にスマホの「設定」・「モバイル通信」・「通信のオプション」の順に開く。データローミングを「オン」に切り替えればインターネットへ接続可能になる。
海外eSIM
海外eSIMは、渡航先で使えるeSIMでインターネットに接続する方法である。SIMカードの挿入等がなく、スマホ上での操作のみで設定可能だ。
海外eSIMのメリット
海外eSIMのメリットは次の通り。
・スマホのみで設定可能
・現地で調達可能の場合もある
・無制限プランがある
・音声通話が利用できる
海外eSIMはスマホのみで設定可能であるため、できるだけ荷物を少なく手軽にインターネットを利用したい人におすすめだ。
現地で調達可能のeSIMもあり、渡航先でインターネットを使う必要が生じた場合にも対応できる。無制限プランを取り扱うものもあり、データ利用が多い場合でも安心して使える点がメリットだ。
また、キャリア回線を利用するため、電話番号は変わるものの音声通話が可能である。
海外eSIMのデメリット
海外eSIMのデメリットは次の通り。
・eSIM非対応のスマホでは利用できない
・電話番号が変わる
eSIM非対応のスマホでは利用不可のため注意が必要だ。ただし最近の端末はeSIMに対応しているものが多い。
また、海外eSIMに切り替えることで、普段使用している電話番号とは異なる電話番号が設定される。渡航先で国内の知人に電話をかけたい場合は、予め海外eSIMの電話番号を教えておく必要がある。
海外eSIMの利用手順
海外eSIMの利用手順は次の通り。
①渡航前にeSIMを申し込む
②アクティベーションコードを発行する
③渡航先でeSIMを有効化する
まず、渡航エリアに対応するeSIMを申し込む。現地で調達可能な場合もあるが、予め準備するのがおすすめだ。
申し込み後にアクティベーションコードを発行する。アクティベーションコードは、eSIMを有効化するコードで、QRコードでの認証や専用アプリのダウンロードなど、業者によって発行方法が異なるため確認が必須となる。
渡航先でeSIMの設定を有効化し、インターネットに接続できれば完了だ。
海外SIM
海外SIMは、渡航先で使えるSIMカードを購入し端末に挿入して利用する。現地で調達可能の場合もある。
海外SIMのメリット
海外SIMのメリットは次の通り。
・現地で調達可能の場合もある
・無制限プランがある
・音声通話が利用できる
・店舗で購入できるため店員に相談できる
海外SIMは、現地調達が可能な場合もあり、渡航先で急にデータ通信が必要になったケースや、データ容量を追加したいケースなどで役立つ。
無制限プランを取り扱っている業者もあり、1日のデータ利用量が多い時でも安心して利用できる。キャリア回線を利用することから、電話番号は変わるものの国外からの音声通話が可能だ。
また、店舗で購入できるため、インターネット契約に不慣れな人でも店員に相談して購入できる点もメリットだ。
海外SIMのデメリット
海外SIMのデメリットは次の通り。
・SIMカードの破損や紛失に注意が必要
・電話番号が変わる
SIMカードはかなり小さいため注意が必要だ。SIMカードの返却は不要だが、傷や破損で通信できなくなるため、慎重に取り扱おう。
また、海外eSIMに切り替えることで、普段使用している電話番号とは異なる電話番号が設定される。渡航先で国内の知人に電話をかけたい場合は、予め海外eSIMの電話番号を教えておく必要がある。
海外SIMの利用手順
海外SIMの利用手順は次の通り。
①SIMカードを購入する
②端末のSIMロックを解除する
③SIMカードを入れ替える
④APN設定をする
まず、利用したいプランを渡航先や料金等を踏まえて選択し、SIMカードを購入する。端末にSIMロックがかかっている場合は解除が必要だ。
現在使用しているSIMカードと海外SIMカードを入れ替える。APN設定が必要な場合は設定完了後に接続できる。
無料Wi‑Fiスポット(公衆Wi-Fi)のみ利用
無料Wi‑Fiスポットは、現地のホテルやカフェ、公共施設等に設定されており、基本的に無償で使える。
無料Wi‑Fiスポットのメリット
無料Wi‑Fiスポットのメリットは次の通り。
・スマホのみで設定可能
・無料で使える
スマホのみで簡単に設定でき、気軽にインターネットが使える。また基本的に無料のため、コストをかけずにデータ通信ができる。
無料Wi‑Fiスポットのデメリット
無料Wi‑Fiスポットのデメリットは次の通り。
・利用できるエリアが限定的
・混雑しやすい
・安全性が不明なものもある
・通常の音声通話はできない
利用できるエリアや提供先が限定的で、どこでもインターネットが使えるものではない。国や地域によっては、無料Wi‑Fiスポットそのものがないケースもある。
さらに、無料で提供されているため利用者が多く、混雑しやすい。安定した通信ができない場合は、他のインターネット接続手段が必要だ。
公衆Wi‑Fiには出所不明なものや、安全性が不確かなものもあるため、問題のないものか確認した上で利用しよう。
また、通常の音声通話はできないため、国外から電話したい場合はLINE等のアプリから通話しなければならない。
無料Wi‑Fiスポットの利用手順
無料Wi‑Fiスポットの利用手順は次の通り。
①無料Wi‑FiスポットのWi‑Fi名・ID・パスワードを確認する
②Wi-Fi設定のネットワーク一覧から該当のWi‑Fi名を選択する
③IDとパスワードを入力する
まず、無料Wi‑FiスポットのWi‑Fi名・ID・パスワードを確認する。次にスマホのWi-Fi設定のネットワーク一覧から該当のWi‑Fi名を選択しよう。
IDとパスワードを入力して接続できれば完了だ。
海外通信手段はどれがおすすめ?ケース別で最適な方法を選ぼう
海外旅行でおすすめの通信手段をケース別に紹介する。
・海外用Wi-Fiルーターレンタルがおすすめのケース
・海外(国際)ローミングがおすすめのケース
・海外eSIMがおすすめのケース
・海外SIMがおすすめのケース
・無料Wi‑Fiスポットだけで問題ないケース
以下で詳しく解説する。
海外用Wi-Fiルーターレンタルがおすすめのケース
海外用Wi-Fiルーターレンタルがおすすめのケースは次の通り。
・家族や友人と一緒の旅行でWi-Fiをシェアしたいケース
・短期の旅行や出張で場所を問わずネットを使いたいケース
家族や友人と一緒の旅行でWi-Fiをシェアしたい場合は、海外用Wi-Fiルーターレンタルがおすすめだ。
1人分の契約で回線をシェアでき、比較的安くネットが使える。また対応地域であれば場所を問わず利用できるため、短期の旅行や出張でネットを使いたい場合にもメリットが大きい。
海外(国際)ローミングがおすすめのケース
海外(国際)ローミングがおすすめのケースは次の通り。
・手間や荷物を少なくして海外に渡航したいケース
・ローミング対応の都市部でネットを利用したいケース
海外ローミングはスマホの設定のみでインターネットに接続でき、手間や荷物を少なくして海外でネットを使いたい場合におすすめだ。
また海外ローミングは都市部の多くのエリアに対応しており、各国の都市に渡航する予定のある人にメリットが大きい。
海外eSIMがおすすめのケース
海外eSIMがおすすめのケースは次の通り。
・長期滞在で沢山ネットを利用したいケース
・手間や荷物の少ない状態で渡航したいケース
・国外から音声通話をしたいケース
海外eSIMは、長期プランや無制限プランに対応しているケースも多く、長期滞在で沢山ネットを使いたい人におすすめだ。
スマホ1つで設定可能で手間や荷物を少なくして、渡航したいケースでも役立つ。また海外向けのキャリア回線を利用でき、電話番号は変わるものの国外から音声通話も可能である。
海外SIMがおすすめのケース
海外SIMがおすすめのケースは次の通り。
・長期滞在で沢山ネットを利用したいケース
・国外から音声通話をしたいケース
・インターネット上での購入や設定が苦手なケース
海外eSIMは、長期プランや無制限プランに対応しているものもあり、長期滞在で沢山ネットを使いたい人におすすめだ。
海外用のキャリア回線を利用するため、国外から音声通話をしたい場合にも役立つ。また、店舗で購入でき、インターネット上での購入や設定が苦手なケースでも安心して利用可能だ。
無料Wi‑Fiスポットだけで問題ないケース
無料Wi‑Fiスポットだけで問題ないケースは次の通り。
・渡航先でネットを使う頻度が少ないケース
・無料Wi‑Fiスポットのある都市部のみで滞在するケース
渡航先でネットを使う頻度が少ない場合は、無料Wi‑Fiスポットのみでも十分である。また無料Wi‑Fiスポットのある都市部のみで滞在するケースでも特に問題なくネットが使える。
高額請求を避けて海外旅行でインターネット通信するための注意点
高額請求を避けて海外旅行でインターネット通信するための注意点を、通信手段ごとに説明する。
・海外用Wi-Fiルーターレンタルの注意点
・海外(国際)ローミングの注意点
・海外eSIMの注意点
・海外SIMの注意点
・無料Wi‑Fiスポットの注意点
以下で詳しく解説する。
海外用Wi-Fiルーターレンタルの注意点
海外用Wi-Fiルーターレンタルの注意点は次の通り。
・渡航予定や利用頻度に合ったプランを選択する
・スマホのデータローミングをオフにする
・バックグラウンド通信を停止する
・期限内に端末を返却する
まず、渡航予定やネットの利用頻度に合ったプランを選択するのが重要だ。渡航中にデータが足りなくなってインターネットが利用できなくなるリスクもある。
スマホのデータローミングや、バッググラウンド通信をオンにしたままだと海外でパケット通信が発生し、高額請求される可能性があることから必ずオフにする必要がある。
また、延滞金や故障時の弁償金などのリスクもあるため、端末の管理には注意し期限内に返却しよう。
海外(国際)ローミングの注意点
海外(国際)ローミングの注意点は次の通り。
・海外ローミング用の専用プランの料金を確認する
・海外での音声通話やSMSの料金を確認する
通常の国内プランのみで海外ローミング可能なキャリアもあるが、追加で専用プランに入ることで利用できるものも多い。
キャリアによってプラン内容や料金が異なることから、事前に詳細を確認しよう。また、専用プランに加入しなくても自動でローミング通信がされるケースもあるが、その場合は専用プランでの料金が適用されず、消費パケットに応じて料金が請求されるため注意が必要だ。
海外での音声通話やSMSの利用料金は別途かかるため、使いすぎないように注意しよう。
海外eSIMの注意点
海外eSIMの注意点は次の通り。
・渡航予定や利用頻度に合ったプランを選択する
・スマホのデータローミングをオフにする
・バックグラウンド通信を停止する
まず、渡航予定やネットの利用頻度に合ったプランを選択する。似たようなプランでも海外SIMごとに料金は異なることから、内容を比較して契約しよう。
スマホのデータローミングや、バッググラウンド通信をオンにしたままだと海外でパケット通信が発生し、高額請求に繋がるため必ずオフにする。
海外SIMの注意点
海外SIMの注意点は次の通り。
・渡航予定や利用頻度に合ったプランを選択する
・スマホのデータローミングをオフにする
・バックグラウンド通信を停止する
・SIMカードの破損や紛失に注意する
まず、渡航予定やネットの利用時間に応じたプランを選択する。海外SIMごとに料金が異なることから、プラン内容を比較してから契約しよう。
またスマホのデータローミングや、バッググラウンド通信をオンにしたままだと海外でパケット通信が発生し、高額請求に繋がるため必ずオフにする。
渡航先や帰国後にスマホが使えなくなるトラブルを避けるためには、SIMカードの破損や紛失にも気をつけよう。
無料Wi‑Fiスポットの注意点
無料Wi‑Fiスポットの注意点は次の通り。
・情報漏洩や不正アクセスのリスクに注意する
・利用するWi‑FiスポットのSSIDを確認する
・予め無料Wi‑Fiスポットの提供場所を確認する
無料Wi‑Fiスポットの中には、データの抜き取りや個人情報の取得といった、不正な目的のために設定される危険なものもあるため、安全性を確かめた上で利用しよう。
安全なWi-Fiスポットと似通った名前の、出所不明なWi-Fiもあることから、SSIDを確認した上でインターネットに接続する。
無料Wi‑Fiスポットがある場所は限られているため、予め調べてから渡航するのがおすすめだ。
海外旅行中の使い方に合わせて快適な通信手段を選ぼう
海外旅行向けの通信手段はさまざまがあるが、状況や使い方に合わせて適切なものを選ぶのが大切だ。
プランや料金、滞在時間や滞在地域などを踏まえて、快適な通信手段を選択しよう。